アンチ・クライマックスとわざわざ言うまでもなく、
毎日、時間は止まることなく進んでいく。
様々な出来事を「毎日」として積み重ねて、その人が出来上がる。
分かりやすい大転換もなければ、誰もが涙するハッピーエンドもない。
映画「SMOKE」1995年公開作品だが、昨年末からリバイバル上映をしていて、昨日吉祥寺オデヲンでようやく見ることができた。
10年以上毎日同じ場所、同じ時間に写真を撮るタバコ屋。妻が事故に遭い、書けなくなった作家。宝石強盗犯が落とした現金を拾ってしまう青年。金の工面のため、18年ぶりに夫を訪ねる女。その娘。
それぞれの人生が、少しだけ交差していく。
でも、それでその人自身が変化していく訳ではなく、ただ、交差する。
大転換もなければハッピーエンドもない。
だからなのか、観ている最中にも自分の過去やあり方に照らし合わせられる余白がある。
余白をくれる映画は、観た後に余韻を残す。
時間そのものを受け取った気分になる。
だからなのか、一晩明けた今も、映画が頭を離れない。
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