昨日のこと。
帰宅するサラリーマンでいっぱいの大江戸線、
僕は取引先に会うため、新宿方面に向かっていた。
目の前の座席に座る女性、歳は25歳くらいだろうか。
硬い仕事なのか、かっちりしたスーツとコートを着ている。
彼女は熱心に何かをノートに書いていた。
それをあえて覗き込んだわけではないけれど、一瞬目に入ってしまう。
他の文字とは少し大きさを変え、強調するように「私はもう自由だ」と書いていた。
「私はもう自由だ」
ドキッとする。
彼女は今までは自由ではなかった。
でも、今はもう自由だ。
「私はもう自由だ」
ノートにそう書く時、どんな気分だろう。
開放感や高揚なのか、逆に強い使命感があるのか。
「私はもう自由だ」
もし僕がそれをノートに書くのはどんな時なんだろう。
小手先の自由ではなく、本当に、心から思う時はいつなんだろう。
「私はもう自由だ」
この続きを熱心に書く彼女を置いて、
僕は東新宿で電車を降りた。
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