【OHRWURM 耳の虫】 STEREO TOTAL


みなさん、こんにちは。Ohrwurm (オアブルム)という言葉をご存知でしょうか?


ドイツ語で"Ohr" は「耳 」、 "Wurm" は「虫」。
「耳の虫」。なんだか少し 気持ち悪い想像をしてしまいますが、
実際は「耳から離れない音楽」という意味。

ドイツ語を習って半年。語学学校の授業は毎日3時間。

文法や単語を詰め込んでも、 喋る時間が足りずに覚えられない。
ドイツ語学習に行き詰まりを感じていた時に、私はこの言葉に出会い、
妙な高揚感に包まれたのを覚えています。

その ユニークな単語の 組み合わせに、堅実と言われがちなドイツ人の ユーモアが

ちらっと見え隠れした気がして、嬉しくなったのです。
ドイツ語を習えば習うほど、こんな個性的で面白い言葉に出会える。
嫌いになりかけていたドイツ語学習に、楽しみを見出した瞬間でした。

個人的に思い出深く、大好きなこの言葉をタイトルに、

今日聞きたい「耳の虫」を、新旧問わずに綴っていきたいと思います。

初回は、STEREO TOTALというフレンチ・ジャーマン ・デュオ。

1993年からベルリンを拠点として活動している 二人は、
去年新しいアルバム を発売したばかり。

日本でも、90年代に渋谷系とリンクした サウンドで人気を博したので、
知っている人も多い かもしれない。

ピチカート・ファイブや鉄腕アトムのカ ヴァーから、彼ら自ら日本語で書いた曲 も ある。



こちらは 日本のテクノポップバンド、プラスチックスの有名なカバー。

ボーカルの フランソワーズ・カクタスの、どこか大山のぶ代さん版ドラえもんを彷彿とさせるハスキーボイスと、 ガレージ・ロック、フレンチ・ポップ、ニュー・ウェイブなどあらゆる要素がミックスされた 、グラマラスで遊び心 溢れる音。

彼女の舌足らずなフランス訛りのドイツ語をはじめとする 、
マルチリンガルな歌詞の楽曲を聞いてから、す っかりファンになってしまった。
一昨年に訪れたライブでは、二人が終演時間をすぎても演奏を辞めず、
係の人がステージに 出てきて演奏を止めるなんていうハプニングも。
サービス精神旺盛な二人とのとびきり楽しい夜になった。




"Schön von Hinten" を直訳すると「後ろから見たほうが素敵」。

「君って後ろから見てるほうが素敵。側にいるより、数メートル離れて、
 霧の中にいるほうが いい。背中を見てたほうが。だからお願い、あっちに行って」。

ビデオの中で、世界中どこに行ってもつきまとうしつこい男性に、
うんざりするカクタス嬢。


悲しい時、情けない時に、彼女のファニーな歌声とコミカルな サウンドを聞くと、
悩んでいる自分 が馬鹿馬鹿しく思えてくる。

困り顔の自分に、手鏡を見せて「ほら、見て。すごい変な顔だよ」と笑いとばしてくれる。
そんな彼らの音楽が、今日の耳の虫。

TABLE THINGS

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