言葉の海


ドイツの中でも最も「ドイツらしさ」のない街、ベルリン。
とくに私の住むノイケルンという地区は、ベルリンの中でも
外国人移民の比率が高い地区の一つだ。
大通りには、ここはトルコかと目を疑うほどにケバブレストランや
水タバコ屋が軒を連ねる。
薄暗い店内でタバコを吸いながらゲームに興じるトルコ人の男性達。
それを横目に小さな通りに入ると、最近出来たおしゃれなフランス風のビストロ
や、英語の飛び交うカフェ、はたまた日本のラーメン屋さんなんかも並ぶ。

そんな通りをドイツ人の学生、ベビーカーを引いたムスリムの女性や私のようなアジア人が歩き、自転車に乗ったアメリカ人のおしゃれな若者が軽快に通りすぎる。

そんな、「ドイツらしさ」とはほど遠い言語と文化のカオスに暮らして早3年。

私のドイツ語はといえば、日常会話には差し支えない程度。
議論好きのドイツ人を論破する、なんてレベルにはまだ到達していません。
結局のところ必要性を感じている英語も、読めても会話には不自由を感じる、という状況。

話は少しそれますが。

アメリカの国務省機関に調べによると、英語を母語とする人々にとって、
もっとも習得に時間のかかる言語は
アラビア語、広東語、中国語、韓国語、そして日本語だそう。

個人差はありますが、平均で、2200時間(88週間)かかるとか。

ドイツ語は、ゲルマン語から派生している言語だからでしょうか、
主要言語を習得時間順に5段階に分けたグループの内、4番目に入っています。

英語話者にとっても、日本語はもっとも難しい言語だとは。
日本語と、英語、ドイツ語は、あまりにかけ離れた言葉だということがわかります。

そんな二つの言語を同時に習得するなんて、無謀な試みなんじゃないか。

とはいえ、ドイツ人と結婚して、ここで暮らすと決めた以上、諦めるわけにはいかない。
言葉の海に飛び込んでしまった以上、果てしない航海は続くのです。

そんな一日本人の、言葉の壁を壊すためにもがく過程を、このブログに綴ります。

茉莉

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